- 「セキュリティ的にAIは無理」はSES業界の思い込みになりつつある。AIを公認で使える現場は実在し、増えている
- ルールは白か黒かだけ。黙って使うのは論外、規程が曖昧なら確認して合意を取る。グレーな工夫はしない
- だから戦略はシンプルで、「AIが使える現場」を選んで入っていくこと。案件選びの軸に「AI可否」を入れる
「使えるわけがない」という定型句
SESエンジニアがAIスキルを積みたいと言うと、だいたいこう返ってきます。「現場はセキュリティが厳しいから無理だよ」。たしかに金融・医療・公共系を中心に、外部のAIサービスに情報を送ることを禁じる現場は多い。それ自体は企業として合理的な判断です。
問題は、この事実がいつのまにか「どの現場でもAIは使えない」という業界の常識みたいになっていることです。これはもう現実と合っていません。
AI公認の現場は、実在する
自分は、情報管理が最も厳しい部類の医療系案件に常駐してきました。そこでも、何をしてよくて何をしてはいけないかを会社間で取り決めた上で、AIを活用して仕事をしています。隠れてでも、すれすれでもなく、合意の上でです。
そして市場を見れば、変化はもっと分かりやすい。Claude CodeやCodexのようなコーディングエージェントを企業が正式契約して開発標準にする例が出てきて、「AIエージェント前提で開発する」ことを最初から要件にした案件も生まれています。うちに来る案件でも、AI活用を歓迎する現場は明らかに増えました。「AIが使える現場」は探すものではなく、選べるものになりつつあります。
ルールは白だけ。グレーはやらない
先に釘を刺しておきます。現場のルールが曖昧だからといって、こっそり使う・工夫と称してすれすれを攻める、というのはやってはいけません。発覚すれば自分と所属会社の信頼が飛びますし、「だからAIは危ない」という空気を作って、その現場のAI解禁を何年も遅らせます。
やることは単純です。規程を読む。曖昧なら聞く。ダメならその現場では使わない。それだけです。うちも、現場でのAI利用は必ず事前の確認と合意を通します。

戦略は「AIが使える現場に入る」こと
キャリアの答えとしては、拍子抜けするほど当たり前です。AIスキルを積みたいなら、AIを公認で使える現場に入る。そのために、案件選びの軸に「AI可否」を明示的に入れることです。具体的には、案件の面談や営業担当への確認で、こう聞きます。
この3つを聞けば、その現場の「AI環境の実力」はほぼ分かります。逆に、この質問に答えられない案件紹介は、AI可否を誰も確認していないということです。
会社選びが、案件選びの上流にある
そして案件選びの上流には、所属する会社の選び方があります。SESでは案件は変わるものなので、「たまたま今の現場でAIが使える」では積み上がりません。会社として、AIが使える案件を優先して取りに行っているか。研修・社内システム・営業の仕組みにAIが組み込まれているか。エンジニアの「AIを使いたい」という希望を、案件選定の条件として扱ってくれるか。

この「会社としてAIが標準か」の見分け方は、AIネイティブSESとはに整理しています。
発注側の方へ
受け入れ企業側にも1つだけ。「とりあえず全面禁止」は、一番安全に見えて、静かにコストを払う選択になり始めています。AIを使えるエンジニアほど、AIを使えない現場を選ばなくなっているからです。守るべき情報を守りながらAI利用を公認する設計は可能ですし、実際にそれをやっている現場に良いエンジニアが集まり始めています。うちは自社でその設計を運用しているので、そのまま提供できます。
よくある質問
